2019年12月6日のニュースでこんなニュースが取り上げられていました。
気になる方はぜひ読んでみてください。
簡潔に説明をすると、
虐待が大きな問題になっている今、
厚生労働省が親の体罰に当てはまる具体的な行為などを明記した指針案を12月3日に初めてまとめました。
具体例はこちら
2 大切なものにいたずらをしたので長時間正座させる
3 友達を殴ってケガをさせたので、同じように殴る
4 他人の物を盗んだので、罰として尻を叩く
5 宿題をしなかったので、夕ご飯を与えない
ニュースの中では、
「しつけの為なら叩くことは仕方ない。」
「口で言ってもわからない時は叩いたり、正座をさせて罰を与えないと子どもはわからない。」
という考えの方も少なからずいらっしゃり、この指針案に対して賛否両論の声が上がっていました。
幼稚園教諭を7年務め、子どもの勉強を沢山し、実際に多くの子どもや保護者を見てきた私から、この話に意見を言わせてもらうとしたら、
「しつけとして叩くことは間違っている」
ということです。叩くことで一時的には言うことを聞くかもしれません。
しかしそれは、「叩かれたくないから。」「怖いから」という気持ちからの行動で、根本的な解決方法には繋がりません。子どもの成長を促すことは難しいです。
「いきなりそんなことを言われても、うちはそうやって育てて、ちゃんと育っている!」
「今までやってきたことは全部体罰になっちゃうの!?」
と、
この話を聞いて混乱されている方は多いのではないでしょうか?
なので今回は、
- 何度言っても子どもがいうことを聞いてくれなくて困っている
- 手を出して子どもを叱っているが、それが正しいのかわからない
- 悪いことをした時、子どもにどうやって伝えたらいいの?
と、悩んでいる方向けのお話をしていきたいと思います。
そもそもしつけって何?
しつけとは、
社会生活への適応に必要な望ましい生活習慣を形成すること。田の植付けや着物を仕立てる際のあら縫い(仕付)の意から,子どもに幼児から礼儀・作法を教え込むことをいうようになり,〈躾〉の字が用いられるようになったとされる。もとは神の意にかなった労働の型や手順を習得させ,子どもを一人前にすることをさした。躾はその社会や文化に制約されるが,子どもを道徳的習熟に導く教育の過程であり,躾の仕方は人格形成に大きな影響をもつ。
(出典:百科事典マイペディア)
と言われています。
つまりしつけとは、
生活習慣において大切なことや、人と関わる上で大事にしたいことなど、生きていく上で大切なことを教え、伝えていくことであるといえるでしょう。
「叩くしつけが」子どもにもたらす影響
では、子どもが言うことを聞かなかった時に、親が手を出したり、罰として正座をさせることは、子どもにとってどのような影響をもたらすのでしょうか?
※ここで言う「叩く」というのは、おしりや頭を軽く叩いて、スキンシップを取るようなことではなく、子どもの表情が変わる程、子どもに恐怖心を与えてしまう程の「叩く」という意味で考えてみたいと思います。
何かをした時に、罰を与えられて育った子に起こりうる影響とは・・・
- 心も体も傷つく
- 親の顔色を見て生きるようになり、本当の自分を出せず殻にこもりがちになる
- 家で発散できない分、外で爆発する(幼稚園・保育園で落ち着かない、友だちに意地悪をしてしまう…)
- 「やってみよう!」という気持ちが出せなくなり、自分に自信が持てなくなる。
- 自分や周りを大切にできなくなる
- 自分で考える力を失い、言われたことしかできない「指示待ち人間に」なる
上記のことが全て起こりうるとは断定できませんが、
小さい頃から育むべき大切な力、
「自己肯定感(自分は愛されている、大切にされている、だから自信をもって生きていく!)」
という気持ちを持てなくなってしまう可能性が大いにあります。
「怒る」と「叱る」は大きく違います。
「怒る」は、下に心がついていますね!
つまり、「自分の感情が優先されてしまっている」ということです。
「叱る」は、「子どものことを考え、注意をしたり、教えたりした時」に使います。
手を出すことが子どもへ及ぼす影響がこんなにたくさんあると分かったら、
子どもへ手を出すことが、「怒る」なのか、「叱る」なのか、、、
1度立ち止まって考えて、子どもに向き合ってもらいたいと思います。
大人だって、仕事や家庭で失敗をしてしまったときに、自分が悪いと分かっていても感情任せに怒られたら、なんだか嫌な気持ちになるし、素直に反省できないし、理不尽な気持ちになりますよね!
大人も子どもも同じなんです!
「子どもだから」という考えは一度置いて、
大人も子どもも同じ人だということを忘れないでほしいです!
本当の「叱らないしつけ」とは
では逆に「叱らないしつけ」が良いなんて言葉も耳にしますが、この言葉をそのまま受け入れて実践することが、必ずしも良いとは言えません。
子どもは、善悪の判断を正しく上手にできるわけではありません。
いけないことをした時には、
しっかりと叱り、注意し、正しい道を教えてあげることも必要です!
何も言わず、放っておくこと=「叱らないしつけ」
ではないということですね。
「叱らないしつけ」についてはこちらをどうぞ。
どんな時に叱る? 子どもの心に響く叱り方とは。
「じゃあ、いつ叱ればいいの?」「どうやって叱ったらいいの?」と迷ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私が幼稚園教諭をしていた時も、「叱る基準」「叱り方」はすごく迷い、試行錯誤しました。
以下で私なりの叱る基準や、叱り方をお話していきたいと思います。
また、以下のお話は、生活習慣を身に着けたり、人間関係を豊かにするために必要なことなので、なるべく早いうちから実行していくことをおすすめします。
どんな時に叱ればいいの?
私が迷った末いきついたのは、
「人としてどう成長してほしいか、どんな風に育ってほしいか」
ということを基準に考えていくということです。
そこを基準に考えたら、パパやママの方が絶対に、上手に叱ることができますね!
なぜなら、自分たちの大切な子どもに、人としてどのように育って欲しいのか。。。
それは、各家庭の「価値観」だからです。
例えば、、、
「ご飯を全部食べるまで席を立ってはいけない。」
「残してもいいけど、ごちそうさまをいうまでは席を立ってはいけない」
「席を立っても、残してもいいけど、いただきますとごちそうさまの挨拶だけはきちんとしないといけない」
上記の考え方は各家庭で違いますよね!パパとママの中でその基準が出来ていれば、どこで叱るのかは自由です!
夫婦間でしっかり話し合い、共通理解をしておくことが大切です☆
しかし、共通して叱ってほしいこともあります。
- 人を傷つけることをした時(いじめ、暴力)
- 自分を傷つけることをした時
- 命の危険に関わるようなことをした時(車が来ているのに道を渡ろうとしている。)
当たり前のことですが、これらのことはどのご家庭でもしっかりと叱っていく必要があります。
子どもの心に響く叱り方とは
1 いけないことをした時はすぐに叱る
子どもは「今を」生きています。後になっていけなかったことを叱られても、何のことだかわからなくなってしまい、効果は激減です。いけないことは、その場ですぐに叱りましょう。
ある程度自分で考えられる年齢になったら、「なぜいけなかったのかな?」と子ども自身に考えてもらいましょう。
また、「次はどうしたらいい?」と子どもに意見を求め決めてもらうのも1つの方法です。
子どもの、自分で気づいたり、自分で決めた時の実行力は凄いです!パパママが、「決めたのは誰だったかな?」と子どもに問うことで、子ども自身の責任感も生まれます。
2 簡潔に叱る
子どもに長々と叱っても、次第に何を叱られているのはわからなくなってしまいます。叱る時は、簡潔に、何がいけなかったのを伝えましょう。
※伝える際は、人格を否定するような言い方にならないように気をつけましょう。あくまでも「悪い行為」だけを叱ってください。
3 目を見て叱る。声色、表情を変えて叱る。
ながら叱りは子どもに伝わりません。たとえ忙しくてもいけないことをした時には、しっかり目をみて伝えましょう。親のまっすぐな想いは、子どもに響きます。
また、まだ言葉だけでは理解できないような年齢の子ども には、普段の声より低い声で「いけないよ」と伝えたり、怒った顔をして伝えてみましょう。声や表情で、「ママがいつも違う。」ことを感じ取ることができます。
4 根気良く、ブレずに叱る
1度でできるようになる子はそういません。ついつい流されてふざけてしまったり、言われたことを忘れてふざけてしまうこともあります。 そこは想定の範囲に入れておきましょう、(笑)
大事なのは親がブレないことです。叱る基準が曖昧だったり、言っていることが違うと子どもは混乱してしまいます。いけないことをした時はその都度根気よく伝えましょう。
(※ある程度理解力の高まってくる年齢になったら、(3歳以上)「同じことを3回したらママは本当におこるからね!」などと、家庭でルールを決めても良いと思います。
終わりに
色々なお話をさせていただきましたが、この文章を読んでくださった方は、
間違いなく素敵なパパ・ママです!!
なぜなら、タイトルを見て、このブログを見に来てくださった方は
「子どもの為にこれでいいのかな?」
と、しっかり考えていたり、悩んでいる方が大多数だと思うからです。
それは、子どものことを大切に考えている証ですよね!
そして、 「大人も子どもも同じ人」
と、始めに述べたように、大人だって疲れてしまう時もありますよね。ついイライラしてしまうこともありますよね。
そういう日があってもいいんです。 「パパママを休憩する時間」を作ったっていいんです。
完璧なパパママを目指さなくていいんです。
疲れた時には一休みをして、今回お話したことをぜひ実践してみてくださいね♪
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